ひぽぽの徒然ダイアリー

単身ドイツ在住者のゆる日記

ドイツでの見習いシステム(Ausbildung)について


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ドイツには「見習い」もとい「職業訓練」が、ありとあらゆる職業に対して存在します。
特に手工業系の仕事で資格を取るには職業訓練校に通いながら働くシステム (Ausbildung) が確立しています。

私の場合は、「整形靴技術者」として日本で専門学校を卒業したものの日本には国家資格がない為、ドイツでその資格を取得しました。

今回はドイツで手に職をつけたい人向けの記事です。

  • 見習いをするメリット・デメリット
  • 見習いの始め方
  • 外国人へのサポート体制

 

見習いのメリット

・見習いビザがあり、外国人は2〜3年半の身分が保証される

・学生として、年齢問わず美術館などで学割が適用される

・修了後はその職業においてドイツ国内で仕事が得やすくなる


見習いのデメリット

・期間中の給料がかなり低い
 →職業によっては並行してアルバイトをしないと生活が苦しい

・無期限滞在ビザの権利が少しでも早く欲しい人には遠回りになる(編集時点の法律上で変更の可能性あり)
 →通常約5年分の年金を納めることで権利をえられるが、学生期間は年金支払いの計算が半分になるため。
  (例:2年間見習いをした場合、年金は1年分収めたことになる)

 

見習いの始め方

・やりたい仕事を決める

・仕事(職場)を見つける

・会社と見習い契約を結ぶ

 以上です。

職業訓練校の手続きや仕事に関わるお金は基本的に会社が負担してくれます。
(法律上そう決まっています)

仕事の見つけ方は人によりますが、エージェントを利用しなくてもジョブセンター(日本のハローワークのようなところ)やネット上の求人サイトでも職業訓練系の案内が溢れているので、日本での経歴を活かせそうな仕事や興味のある職業を見つけると良いと思います。

 

見習い中は職業訓練学校と職場の両方に行くのですが、職種や地域によって日程は大きく異なります。
毎日午前午後で学校と職場を往復するパターンや、毎週一回が登校日のパターン、1ヶ月間の学校期間が年に3回のパターンなどさまざまです。

共通しているのは、学校では「その職業の専門的な知識に加え、経済・社会・(国語としての)ドイツ語といった一般教養を学ぶ」ということです。
一般教養の種類は上記の三種は必須として、学校や職業により<数学><英語><宗教><体育>など異なります。
必須科目以外は最終試験はありませんが、成績がつくので少なくとも落第は避けないといけません。

 

外国人へのサポート体制

上記の一般教養というのは、どの職業にも共通しているのですが、外国人にとってはともすると専門分野の座学よりも学ぶのが難しい科目でもあります。

ドイツ の文化や常識をよく知らない上に、ドイツ語でドイツ の法律や制度、EU社会などについて学ぶからです。

それは日本人以外にとっても例外でなく、むしろ出身国の社会情勢などによっては主権者や法律も全く違うので、内容理解に苦労している外国人クラスメイトが何人もいました。

移民の多いドイツでは、そんな外国人をサポートする制度がきちんと整っています。

自治体の委託業務のため、さまざまな会社・機関が存在します。支払いは基本的に全額ジョブセンターのため個人負担は一切ありません。

私は「IB」というところで勉強しましたが、先生がほぼ一対一で丁寧に教えてくれました。

気になる方は「iB ”お住まいの地域名”」で検索してみてくだい。


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ドイツで手に職をつけたい方や、ドイツに長く住みたいと考えている方は、1つの選択肢として参考にしてみてください。